- 生産科学科
ダイズシストセンチュウはダイズ栽培で甚大な被害をもたらす線虫です。この線虫は単に植物の根から養分を吸い取るのではなく、線虫が必要とする栄養を得るために、植物自身の細胞を作り変えて、その栄養をつくらせています。線虫がどのように植物細胞を作り変えているかを明らかにするために、超高圧電子線トモグラフィーと電界放出形走査電子顕微鏡を組み合わせて3次元解析を行いました。その結果、新たに管状小胞体が観察され、それらは従来から知られているシート状の小胞体とネットワークを構築していることを明らかにしました。また、根細胞で生合成された栄養の細胞間の移動にも、管状小胞体の関与が示唆されました。これらの知見は、線虫が分泌する物質の輸送や栄養供給の仕組みを理解するための基盤となり、最終的には本線虫の防除法の開発にも貢献します。本成果は、石川県立大学の古賀博則、自然科学研究機構の村田和義、北海道立総合研究機構の東岱孝司、神戸大学の洲崎敏伸、韓国・釜山大学の Chihong Song らの国際共同研究グループによるもので、Scientific Reports に掲載されました。
(https://doi.org/10.1038/s41598-026-70405-9)
ダイズシストトセンチュウの感染によって、ダイズ根細胞に新規に構築されている小胞体ネットワーク 左図: 細胞壁(CW)の開口部周辺に密に形成されている管状小胞体(tER)。 右図:層状・同心円状のシート状小胞体(cER)。この中に管状小胞体(tER)が形成されている。
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