大学院の構成・専攻
博士前期/食品科学専攻
Division of Food Science
食のトータル・サポートシステム構築に貢献
本学生物資源環境学部の食品科学科では、食品に関する専門的な知識と技術を備えた人材の養成を目指し、農畜水産物を対象に、バイオテクノロジーなどの先端的科学技術を活用し、食品の新しい製造、加工、貯蔵、流通技術の開発、さらに食品の安全性・機能性を解明し、安全で安心な食品の供給システムや、食を通じた健康の維持増進に関する教育研究を行なっています。
博士前期課程では、食品科学科における教育課程を基に、生物の存続・持続、生物の多様性、資源の有限性、循環性を取り入れた、食の安全・安心の社会システムの構築をめざす高度専門技術者を養成します。これによって、独創的で能動的な考え方を有する人材を育成して、地域産業界にその研究開発部門で中心となって活躍できる人材を供給します。
上記の目的を達成するために、食品科学専攻では教育研究の基本単位として以下の4つの研究領域を設けます。
※各教員への問い合わせ先などについては、kyoumu@ishikawa-pu.ac.jpまでご連絡ください。
生体分子機能研究領域
有機化学、生化学、分子生物学などに関する高度専門基礎教育を担当し、さらにそれらを基盤として、食品の構成成分である生体低分子、高分子についてその構造および機能を分子レベル、細胞レベルで解析します。このことにより食に関わる生命現象の解明に資するとともに、その成果を安全で健康促進に役立つ食品開発、設計に応用するための教育研究を行います。
食品製造研究領域
農畜水産物に由来する既知ならびに新規食品原料についての化学的、生物化学的、理化学的形質、特性の理解と解明に関する教育研究を行います。その知見を基に化学的、生物化学的、物理化学的処理による加工法の改良および原理的に優れた加工法の創出、微生物や酵素などの生体触媒を利用した食品の加工、創製を目指します。一方、食品原料の有効利用、最も消費者の近くに位置する鮮度、品質保持などの流通技術についても目を向けます。
食品機能研究領域
食品の機能性の評価、探索、作用機構の解析、機能性食品素材の創製などを中心とする先端的な教育研究を行います。県産農産物を中心とする種々の食品および未利用資源から栄養機能および生体調節機能を持つ成分を探索し、その作用機構を試験管レベル、動物実験レベルで解明します。これらの知見に基づいてバイオテクノロジーを活用した新しい食品素材の開発や県産素材を用いた機能性の高い食品および食品素材の創製を目指します。また食品の新しい機能の探索や新しい機能性評価手法の開発を行い、さらには人における食品機能の評価も行います。
担当教員
- 榎本 俊樹 教授(食品化学)
- 松本 健司 教授(食品機能科学)
- 吉城 由美子 准教授(食品栄養学)
- 本多 裕司 准教授(食品素材科学)
食品安全研究領域
食品危害の究明、および食品の安全性確保に関し、食品衛生に関わる微生物、化学物質(農薬、動物用医薬品、食品添加物など)などの迅速高感度分析技術、食品安全マネジメントシステム(HACCP、ISO22000など)および食中毒微生物の制御技術に関する教育研究を行います。食品の多様化、加工、貯蔵、流通技術の進歩、バイオテクノロジーをはじめとした技術革新による分析技術の高度化に対応した教育研究を行い、地域の食の安全に関わる研究の中心的役割を果たすと同時に、この分野の研究開発をリードできる人材の育成を図ります。また、食品の安全性確保技術、理論や評価技術、理論の開発、構築を通して、食品製造および流通過程における食の安全・安心を確保し、人の健康に貢献します。