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博士前期課程環境科学専攻1年 山本日和里さん(指導教員:百瀬年彦 准教授)が、2025年度土壌物理学会大会(2025年10月25日)において、「砂浜に生息する絶滅危惧種イカリモンハンミョウ幼虫の生存戦略:間隙水圧を察知して水没回避」というタイトルで発表し、優秀ポスター賞を受賞しました。石川県羽咋市から志賀町の砂浜にはイカリモンハンミョウが生息しています。幼虫は砂浜に巣穴を掘って生活しますが、高波で砂浜が冠水すると巣穴が水没してしまう危険があります。これまで、幼虫は冠水の直前に巣穴を砂で塞いで水没を防ぐことが知られていましたが、どのように冠水を予知するのかは不明でした。本研究では、幼虫が砂粒間を通る水の圧力変化を感知し、冠水の兆候を察知することを明らかにしました。さらに、この感知感度は砂質に依存し、細かい砂では高く、粗い砂では低下することもわかりました。これらの成果は、砂浜の物理的特性が本種の生存に関わることを示しており、今後の生息地保全や砂質管理を考慮した保護活動への応用が期待されます。
図1
研究者情報