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- 生物資源工学研究所
鉄キレート材PDMAによる、植物の鉄欠乏改善効果をトウモロコシで実証
2024年9月17日
生物資源工学研究所の小林高範教授・所長と生産科学科（卒業生）の鈴木優太朗さんは、PDMA（プロリンデオキシムギネ酸）が、鉄のイオンをキレート（金属イオンを抱え込むこと）することで、トウモロコシの鉄吸収能を高め、鉄欠乏症状を効果的に改善することを実証しました。愛知製鋼株式会社の鈴木基史室長、徳島大学薬学部の難波康祐教授らとの共同研究です。
鉄は生物が生きていくために必要な栄養素です。世界の耕地土壌の約３割を占めるアルカリ性土壌では、鉄の溶解度がきわめて低いため、多くの植物は鉄を十分に吸収できず、葉の黄化などの鉄欠乏症状を起こします。本研究では、以前に開発した鉄キレート材 PDMA の効果を、主要なイネ科作物であるトウモロコシで検証しました。石灰質アルカリ土壌のポットに PDMAを投与すると、EDTAなど従来のキレート材よりもかなり効果的に葉の黄化を防ぐことができることを実証しました（写真）。この成果は、不良土壌における植物の生産性の向上と、ミネラル栄養に富む食糧の安定供給に貢献すると考えられます。
本研究は国際学術誌 Soil Science and Plant Nutrition にオンライン出版されました。
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