- 研究トピックス
生物資源工学研究所 環境生物工学研究室の馬場保徳助教が、農林水産省農林水産技術会議から若手研究者賞を授与されました。
2019年12月10日
生物資源工学研究所 環境生物工学研究室の馬場保徳助教が、農林水産省農林水産技術会議から若手研究者賞を授与されました。本表彰は、農林水産業及び関連産業に関する研究開発の一層の発展及び研究開発に従事する若手研究者(40歳未満を対象)の研究意欲の一層の向上を図るため、優れた功績をあげた若手研究者を表彰し、農林水産技術会議会長賞を授与するものです。
受賞業績「牛ルーメン微生物を用いた高効率バイオガス生産技術の開発」
馬場助教は、東北大学在学時、と畜場廃棄物である牛のルーメン(第一胃)液を活用することで、農業残さのような難分解性バイオマスからの高効率バイオガス生産(メタン発酵)技術を開発しました。また、本学着任後には、メタン発酵残さ液が、肥料になるとともに植物病原菌の生育を抑制することを明らかにしました。難分解の農業残さをメタンとして活用後、肥料として土に還す本研究が、資源循環型社会の構築を加速させる成果として評価されたものです。
図 ルーメンハイブリッド型メタン発酵による資源循環システム
馬場助教は、今回の受賞に際して「一連の研究成果は学生時代に指導してくださった先生方、共同研究者の方々、同僚の先生方および一緒に実験した学生たちの存在無しには得られなかったものであり、研究に関わった全ての皆さまに感謝したい。2011年に震災で被災した際、“地域ごとに自立型のエネルギー基地をつくらなければ”と強く感じました。この想いが原動力となり、現在も研究を続けています。実用化研究を完成させ、次の震災が起こる前に実装を間に合わせたい。」とコメントを寄せています