- 研究トピックス
本多裕司准教授が日本応用糖質科学会奨励賞を受賞しました
2014年10月6日
本学食品科学科の教員である本多裕司准教授が、「アノマー反転型糖質加水分解酵素の糖鎖合成酵素化に関する研究」という研究業績により平成26年度日本応用糖質科学会奨励賞を受賞しました。本学会は糖質に関する産・官・学の研究者が参加する学会であり、1952年に設立された「澱粉工業学会」を母体とする学会です。
一般に、糖質を分解する酵素の約2/3は糖質を分解するだけではなく、糖同士を結合させる事(糖転移反応)も可能です。ところが、残りの1/3の酵素は糖質を分解する事しかできません。そのような酵素(アノマー反転型酵素(注)とよばれています)に糖転移反応をさせることができれば、様々な糖質を作り出すことが可能となります。
本多准教授は、糖質を分解する酵素の反応機構について詳細に解析し、糖転移反応をする事ができるアノマー反転型酵素の開発に成功しました。この受賞研究によって、糖転移反応ができなかったアノマー反転型の酵素を、糖質を分解するだけではなく、糖転移反応させる事が可能になってきました。本研究で得られた成果によって、今までに作りにくかった糖質を容易に合成できるようになることが期待されています。
(注)アノマー反転型酵素・・・糖質を分解する酵素が2個以上の糖の結合を切ると、新しい糖が生成します。その際、新しく生成した糖を立体的に判別することによって、糖質を分解する酵素はアノマー保持型酵素とアノマー反転型酵素に分類されています。