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研究トピック

C型肝炎に対する経口治療ワクチン候補の開発に成功しました

2014年3月31日

 本学・腸内細菌共生機構学の片山高嶺寄附講座教授は、神戸大学大学院医学研究科の白川利朗准教授および堀田博教授と共に、C型肝炎に対する経口治療ワクチン候補を作製することに成功し、Vaccine誌のオンライン版で発表しました(PMID: 24657718)。

 C型肝炎ウイルスの慢性感染者は、全世界で1億7千万人以上と推定されています。インターフェロンや抗ウイルス剤による治療によりウイルスが排除される場合もありますが、排除されない場合もあり、より有効な治療法の確立が求められています。C型肝炎ウイルスが排除された人では、感染したままの人に比べてウイルスのNS3というタンパク質に対する免疫応答が高くなっていることが知られていることから、堀田教授および白川准教授を中心とした研究チームは、このNS3をターゲットとした新しい治療法を開発しようと考えました。具体的には、NS3タンパク質の一部(CD4/CD8エピトープ*1)を、善玉菌であるビフィズス菌の菌体表層に発現させ、これをマウスに経口投与することで免疫を誘導することが可能かどうかを調べました。本研究の中で、本学の片山教授は組換えビフィズス菌の作製に取り組み、GNB/LNBトランスポーター*2の基質結合タンパク質のC末端側にNS3タンパク質の一部を融合させることで、菌体表層に効率よくエピトープを提示させることに成功しました。得られた組換えビフィズス菌を経口投与したマウスでは、C型肝炎ウイルスに特異的な液性免疫だけでなく、全身性の細胞性免疫も誘導されていました。ヒトでの臨床試験は未だ行われておりませんが、大きな可能性を秘めた結果と言えます。本手法のメリットとしては、治療ワクチン候補としての有効性のみならず、安全性や生産性の高さ、また、カプセルや錠剤として摂取可能なことによる運搬や流通の容易さなどがあげられます。

 なお、本手法に関しては上記3名が発明者となり、神戸大学から特許出願がなされています。

*1CD4/CD8エピトープ:CD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞が認識する抗原決定基

*2: ガラクト-N-ビオース(ムチン糖タンパク質糖鎖のコア1構造を形成する2糖)およびラクト-N-ビオース-I (1型ヒト母乳オリゴ糖を形成する2糖)を取り込むビフィズス菌に特異的なトランスポーター

関連リンク

・腸内細菌共生機構学:http://host-microbe.ishikawa-pu.ac.jp

・神戸大学大学院医学研究科:http://www.med.kobe-u.ac.jp/

・JST: http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140320/


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