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「見えないつながり」を映す:赤外線センサーカメラによる林床草本の送粉者モニタリング手法を確立

2026年2月6日
  • 環境科学科

生物資源環境学研究科博士後期課程3年の島田真彦さん(指導教員 植物生態学研究室 北村俊平准教授)らは、ラン科サイハイランと、その送粉者であるトラマルハナバチ女王の相互作用を、赤外線センサーカメラを用いて高精度に記録する手法を確立しました。

本種が開花する初夏の林床において、広範囲を移動する女王バチの訪花は極めて稀であり、実態把握は困難でした。そこで、ハチが訪れた時に作動する赤外線センサーカメラでラン科特有の「花粉塊」の移動と結実の有無を指標に、有効な訪花をほぼすべて検出できることを実証しました。

本成果は、ギンリョウソウなどトラマルハナバチ女王が訪花する他の林床植物や、肉眼での観察が難しい夜間に大型のスズメガ類が訪花する植物の調査にも応用可能です。膨大なデータ確認を要する従来のビデオ撮影やインターバル撮影の課題を克服し、稀な送粉イベントを効率的に捉える新ツールとして、植物の繁殖戦略や生態系保全の研究に貢献することが期待されます。

 

論文情報

英語:

著者:Shimada, M., Suenaga, K., & Kitamura, S.

タイトル:Effectiveness of infrared sensor camera monitoring for detecting pollinator visits to Cremastra appendiculata var. variabilis in a temperate forest in Central Japan.

 

日本語:

著者:島田真彦・末永海人・北村俊平

タイトル:中部日本の温帯林におけるサイハイランの送粉者を検出するための赤外線センサーカメラの有効性

掲載誌:Plant Species Biology (2026) Volume 41, Issue 2, e70048 (Open Access).

DOIリンク:https://doi.org/10.1111/1442-1984.70048

サイハイランの花粉塊の有無を確認する島田さん
サイハイランの花粉塊の有無を確認する島田さん
開花中のサイハイランに赤外線センサーカメラを設置した様子
開花中のサイハイランに赤外線センサーカメラを設置した様子
赤外線センサーカメラが捉えたトラマルハナバチ女王。前脚の黄色の塊がサイハイランの花粉塊
赤外線センサーカメラが捉えたトラマルハナバチ女王。前脚の黄色の塊がサイハイランの花粉塊
研究者情報

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