- 環境科学科
石川県立大学緑地環境学研究室の上野裕介准教授が参画した共同研究の成果が、国際誌 Environmental Management に掲載されました。本研究は、雪国で広く使われる冬道安全用の「固定式視線誘導柱(矢羽根つきポール)」が、スズメ類の営巣場所として利用されていることを初めて体系的に明らかにしたものです。
矢羽根つきポールは吹雪時に道路端の白線の位置を示すために設置される構造物ですが、金属製の横棒の空洞が鳥の巣穴に適したサイズであることが判明しました。推定では北海道内に約28万本のポールが存在し、そのうち数万本がニュウナイスズメやスズメの巣として使われています。さらに、ポールの本数が多い道路沿いでは、ニュウナイスズメの個体数も多くなる傾向が示されました。
この成果は、人工物(道路インフラ)が生態系に与える意外な影響を示すものであり、雪国に共通する課題に新しい視点を提供します。本研究は、北海道教育大学(三上修氏)、NPO法人バードリサーチ(三上かつら氏)、(公財)山階鳥類研究所(森本元氏)、石川県立大学(上野裕介)の共同プロジェクトとして実施されました。
今後も、人と自然が調和する社会を目指し、研究を続けていきます。
論文情報
- タイトル:Infrastructure for Humans, Nesting for Birds: Snow Poles as Unintended Avian Habitats in Hokkaido, Japan タイトル仮訳「人間のためのインフラが鳥類の営巣場所に:北海道におけるスノーポールの意図せぬ役割」
- 掲載誌:Environmental Management (2026) Volume 76, article number 21
- DOIリンク:https://doi.org/10.1007/s00267-025-02316-w
雪国の道路に設置された矢羽根つきポール(撮影:三上修)
矢羽根つきポールの空洞に営巣するスズメ(撮影:三上修)
道路沿いに並ぶ矢羽根つきポール(撮影:三上修)
研究者情報