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研究トピック

グルテンを含まない米粉パンの食感改良に成功-アレルゲン低減化食品開発に向けて弾み(食品科学科:小西康子教授・本多裕司准教授 生産科学科:古賀博則教授)

2013年7月10日

 

 本学食品科学科の小西教授と本多准教授の共同研究によって、ふんわりとした100%米粉パンを作り出す新しい技術が開発されました。さらに、このパンの特徴である柔らかさをもたらす構造を、生産科学科の古賀教授が電子顕微鏡を使って明らかにしました。これらの成果は、2013年のJournal of Cereal Science 7月号に報告されました。(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0733521013000635)

 

<研究内容>

 食物アレルギーを発症する人が増加し、小麦アレルギー患者も増加しています。100%米粉パンは、小麦アレルギーを起こさないため注目されています。しかし、米粉パンは小麦パンと違いグルテン(注)を有していないため、イーストの発酵によって生じる炭酸ガスの保持が難しくて小麦パンに比べ膨らみにくく、また、焼成後のパンの老化(劣化)も早くて硬くなりやすいなどの問題があります。そのため米粉パンの製造には、通常グルテンを添加しますが、グルテンは小麦アレルギーの原因となります。
 小西教授らの研究チームは、食品加工用の蛋白質分解酵素を用いると、100%米粉パンの品質が飛躍的に向上する事を発見しました。この酵素で処理した米粉から作ったパンは酵素処理をしていない米粉で作ったパンに比べて大きく膨らんだのです(写真)。

100%米粉パンの外観(左図)と切断面(右図)の写真。それぞれ左側は酵素処理をしていないパン、右側は酵素処理をしたパン。

 

 また、レオメーターという硬さを分析する機器でパンの硬さを測定すると、酵素処理をしたパンは酵素処理をしていないパンよりもはるかに柔らかいことが分かりました。柔らかさは翌日にも保たれており、焼かずにそのまま食べられるくらいでした。また、柔らかさを保ったまま冷凍保存することが可能で、解凍すればすぐに柔らかいパンを食べられることも分かりました。電子顕微鏡を使った観察により、酵素処理をしたパンには細かい穴が無数に空きスポンジ状の様相をしていることが明らかになりました。この構造が柔らかさをもたらしているのです。

 

<成果の応用>

 食品加工用の酵素を添加するだけで、ふんわりとしたグルテンを含まない米粉パンを作ることが可能になりました。将来的にはこの方法を利用して、小麦アレルギーの患者さんだけではなく多くの方々に、おいしい米粉パンを提供し、さらに、米の消費拡大、食料自給率向上にも役立つことを期待しています。

注)用語解説:グルテン
 小麦の蛋白質であるグルテニンとグリアジンが反応して、粘りを持つグルテンとなる。このグルテンが骨格となって、小麦パンは良く膨らんだ構造を保つことができる。

<お問い合わせ先>

石川県立大学 産学官連携学術交流センター

Tel 076-227-7566 Fax 076-227-7557

E-mail:jimu[at]ishikawa-pu.ac.jp ※[at]を@に変えてください。


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