- 環境科学科
世界最小!ワラジムシは種子の運び屋さん
2024年5月9日
神戸大学大学院理学研究科の末次健司教授(兼 神戸大学高等学術研究院卓越教授)、北海道大学総合博物館の横山 耕氏、石川県立大学生物資源環境学部環境科学科の北村俊平准教授からなる研究グループは、光合成をやめた植物であるギンリョウソウ Monotropastrum humile の種子がワラジムシやハサミムシに食べられることによって運ばれていることを明らかにしました。
ギンリョウソウはこれまでの研究により、カマドウマやゴキブリが種子を運ぶことが知られていましたが、今回の調査によりワラジムシやハサミムシも同様に種子の運び屋として働いていることが明らかとなりました。ワラジムシほど小さな動物の消化管を種子が通過して運ばれるとはこれまで考えられておらず、本発見は、世界最小記録の更新となります。この発見は、これまで見過ごされてきた、生態系内における小さな動物の種子の運び屋としての役割を考える上で重要な成果であると言えます。
本研究成果は、5月9日(木)午前0時(日本時間)に国際誌「Plant, People, Planet」に掲載されました。
ギンリョウソウの果実を食べるワラジムシとエゾハサミムシ