- 生物資源工学研究所
イネの鉄分強化とアルカリ性土壌での生育改善を同時に達成
2022年11月22日
生物にとって鉄は必須の栄養素です。生物資源工学研究所 植物細胞工学研究室の小林高範教授、応用生命科学専攻(修了生)の前田慶介さん、生産科学科(卒業生)の鈴木優太朗さん、西澤直子特任教授(現・学長)は、鉄と亜鉛の栄養価が高いイネをさらに改良し、鉄を吸収しにくいアルカリ性の不良土壌でも育つ特性を強化することに成功しました。
小林教授らはこれまでに、玄米中に鉄と亜鉛を多く貯め、アルカリ性不良土壌でも育つ「HRZノックダウンイネ」を創出しました。今回の研究では、このHRZノックダウンの遺伝子と、三価鉄を還元して溶けやすくする酵素「Refre1/372」の遺伝子を同時に導入したイネを作製しました。このイネは、玄米中に鉄と亜鉛を多く貯めただけでなく、アルカリ性の不良土壌で既存のRefre1/372 単独導入イネやHRZノックダウンイネよりも良く生育しました。この成果は、イネの栽培地域の拡大と、ミネラル栄養に富むイネの安定供給に貢献すると考えられます。本研究は、国際学術雑誌Riceで公表されました。
石灰質土壌(アルカリ性不良土壌)での生育の様子
研究者情報
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