研究テーマ:三宅 克英
細菌莢膜多糖の遺伝生化学的研究
細菌は外界からの攻撃に備えて菌体外多糖、いわゆる夾膜多糖を発達させています。特に病原菌では免疫系からの回避が重要で、このため特に生体の糖鎖と良く似た構造の多糖を生産しています。私はこの点に着目し、生体で重要な働きをする糖鎖もしくはその類縁体を生産する細菌を研究しています。特に医療が発展した現在でも細菌感染による死者は多く深刻な問題です。そこで莢膜多糖の利用が機能性糖鎖や糖鎖医薬を開発する近道であると考え、莢膜多糖の機能やその生合成を司る糖鎖合成酵素遺伝子群の解析を行ってきました。これからは合成遺伝子の発現を制御する環境因子やメカニズムの解明、莢膜を利用した環境中からの病原菌の検出などを試みる予定です。