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研究トピック

世界初キヌアからアマランチン合成遺伝子を発見 ~アマランチンの大量生産への道を拓く~

2019年2月28日

 石川県立大学、北陸先端技術大学院大学、株式会社アクトリーは、共同でキヌア(Chenopodium quinoa)からベタレイン色素の一種であるアマランチン合成酵素遺伝子を発見し、世界に先駆けてアマランチンの大量生産への道筋をつけました。本研究成果は、「The Plant Biotechnology Journal」誌のオンライン版で公開されます。

 キヌアは、必須アミノ酸・ミネラル・植物繊維を豊富に含み高い栄養価を持ちます。さらに、非常に高い耐乾燥性と耐塩性を併せ持ち、国際連合食糧農業機関(FAO)は、世界の食糧問題解決の切り札になり得る作物として注目しています。そのキヌア内で合成されるアマランチンは、ベタレイン色素の一種で赤色の物質です。ベタレイン色素は赤色および黄色のインドール化合物の総称で、キヌアの他、ビーツ、ホウレンソウ、サボテンの花などのナデシコ目に属する限られた植物だけが合成できる物質です。ベタレイン色素は不良環境への耐性に関与していることが知られており、また、高い抗酸化能力、抗炎症作用、抗がん作用、LDLコレステロールの酸化抑制作用を有していることから、サプリメントや医薬品として期待されています。しかしながら、キヌア内で合成されるアマランチンの量は少ないため、詳細な遺伝子機能解析が困難で、アマランチンを合成する遺伝子は発見されていませんでした。そのため、アマランチンを医薬品産業や食品産業に利用するために必要な大量生産系も発見されていませんでした。
 平成28年7月、株式会社アクトリーの代表取締役である水越裕治の呼びかけと同社からの資金提供をもとに開始した産学官共同研究体(研究代表機関 石川県立大学)は、世界に先駆けてキヌアのゲノム概要配列(生物の設計図)の解読に成功しました。今回の共同研究では、アマランチンの合成に必要な全遺伝子を発見し、その遺伝子を用いて医薬品生産に適した植物培養によるアマランチンの大量生産に道筋をつけました。さらに、キヌアに含まれるアマランチンには、乳がん細胞の活性抑制効果とHIV-1の活性阻害効果を併せ持つことを明らかにしました。
 本共同研究は、同社からの資金提供による産学共同研究体制(研究代表機関:石川県立大学 森正之准教授、今村智弘研究員)により行われました。また、分析機器の使用に関して、文部科学省のナノテクノロジープラットフォーム事業の支援を受けました。

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北國新聞(2月27日夕刊、28日朝刊)、北陸中日新聞(2月28日)に掲載されました。


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