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研究トピック

お茶の未同定成分の1つがバレリアノールであること、及び本成分の生合成遺伝子を世界で初めて解明しました。

2018年8月22日

 生物資源工学研究所の三沢典彦 教授、八反順一郎 特別研究員、日本女子大学 家政学部の新藤一敏 教授らは、カンツバキ(寒椿)花(下写真)から、未同定の匂い成分を作る遺伝子を単離し、これを大腸菌の独自技術を施した株に組み込むことにより、この匂い成分を多量に大腸菌に作らせ、匂い成分の詳細な構造解析を行いました。その結果、この匂い成分が、セスキテルペンアルコールという化合物群に属するバレリアノール(valerianol)であることを見出しました。バレリアノールは、バレリアンというハーブ(薬草)の精油から50年も前に単離されたものです。バレリアンの精油は神経の高ぶりを抑え、落ち着かせる働きなど抗精神薬、睡眠薬様作用のある高価で希少な精油として、ヨーロッパでは伝統的に用いられてきました。バレリアノールは、発見されたのは早かったのですが、この50年間、ほとんど研究されることもありませんでした。一方、お茶はカンツバキと同じツバキ属(Camellia属)に属するので、様々なお茶の熱水抽出物を分析しました。その結果、緑茶、紅茶からバレリアノールが検出され、今までお茶の未同定成分の1つであった化合物がバレリアノールであることが、世界で初めて明らかになりました。また、試験管レベルの実験ですが、本化合物ががんの予防効果を持つことを示唆するデータも取得することができました。今後、バレリアノールは大腸菌の独自株で簡単に生産できるので、脳機能に及ぼす効果などを調べて行きたいと考えております。
 この成果は平成30年 8月20日にScientific Reports誌で発表されました。なお、本研究の主要部分は経済産業省「ものづくり」プロジェクト内で実施されたものであります。また、バレリアノールの製造技術は、石川県立大学発のベンチャー企業である株式会社カロテノイド生産技術研究所から特許出願されております。


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